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ラッキーパパ

Author:ラッキーパパ
向日葵のように明るかった妻が突然倒れました。5人の子どもたち(T:18、Y:16、K:13、ラッキー:犬1…全員♂・年齢は当時 2016年より猫1が参加)と共になんとか生きています。詳しくは「はじめに」で。

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血圧が安定してきた 【2010-02-01(月) 13:05】
妻が倒れて18日目。
ここ3~4日間、血圧はほぼ85-130あたりで落ち着いてきている。

先日ドクターに聞いた話では、1ヵ月間意識がなかった人でも、半年後には歩いて通院している患者さんもいるらしい。
とにかく希望を失わずに、姫の目覚めを待ち続けたい。

家のほうは、母がいてくれるので、ほんとうに助かっている。
私たちは夫婦とも実家を出ているので、子どもたちは、たまに帰省する以外は祖父母と一緒に暮らすという経験がなかった。
それが期せずして、いまは実現できている。私にしても母と暮らすのはもう32年振りのこと。
寝たきりの妻にはわるいけれど、とても貴重な経験をさせてもらっている。

実家のほうでは炊事は嫁さん任せだったため、母が本格的に台所に立つのは何十年ぶりかのことらしい。
最初はかなり不安げだったけれど、何を作っても、おいしいおいしいとあっという間に平らげてしまう成長期の♂たちに、目を丸くして驚いている。

外はいま白い雪が降っています。

安定期/リハビリ | 【2010-02-01(月) 13:05】 | Comments:(8)
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右目のほうも少し開き始めて 【2010-02-02(火) 23:07】
妻が倒れて19日目。
わが姫はまだまだ寝たりないようです。

左目は2~3日前から開いていたけれど、今日は、右目のほうも少し開き始めている感じでした。
38度と、熱っぽかったのが少し心配。

今日は仕事上のクライアントの方が、打ち合わせとお見舞いをかねて、わざわざ我が家まで来てくださった。
お土産のシュークリーム、子どもたちは大喜びでした。ありがとうございます。

  * * *

前の日記にも書いたけど、私たちはほんとに仲の良い夫婦だった。

自営業で収入が不安定だったため、文字通り「富める時も貧しい時も」あったけれど、ただ二人でいるだけで、いつも幸せを感じることができた。

だけど結婚して20年も経つと、いつのまにかそれが「当たり前」になっていて、喜びの感覚がマヒしてしまっていたような気がしないでもない。幸せであることに慣れてしまっていたという感じだろうか。

妻が元気でそばにいてくれる、好物のぶっかけうどんを作ったりコーヒーをいれたりしてくれる、庭に植えたハーブが芽を出したと喜んだり、ラッキー(イヌ)がたくさんウンチをしたと驚いたり、子どもの成績が上がったとか下がったとか・・・いじめられて帰ってきたときは、一緒に泣いたり、悔しがったり・・・

そんな些細なことの一つ一つが、昔見た映画のように美しく、眩し過ぎるくらい輝いて見える。

人と人とが出会い、結ばれ、家庭を営む――それがどんなに奇跡的でかけがえのないことだったのか。

今回の経験がなければ、私はきっとこれほどまでに深く実感することはなかったと思う。

どちらかというと、今までは私のほうがいつも支えられてばかりで、愛の負債だらけだったので、これから妻のために生きることで、少しはその収支バランスを改善できるかな、と思っています。

安定期/リハビリ | 【2010-02-02(火) 23:07】 | Comments:(5)
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音楽のチカラ 【2010-02-04(木) 23:08】
妻が倒れてから21日。意識不明になってから20日が経ちました。
血圧や脈拍、血中酸素濃度など、ほぼ正常値のあたりで落ち着いてきています。

20100204b.jpg

気道が狭くなっているらしく、息が少し苦しそうなので、口から管を入れてラクに呼吸ができるような処置がされていました。
そのせいか、今日はいつになくスヤスヤ眠っていました。

ところで、今日の昼から、また個室に引っ越すことになりました。
2人部屋→個室→2人部屋→6人部屋→個室と、1日おきぐらいに病室が変わっています。

こちらの意思とは関係なく、病院の都合で、あっちへ行ったり、こっちへ行ったりと、どうも落ち着かない感じ。
患者さん全員の状況を総合的に見た上でのやりくりなのだろうから、仕方がないんだけれど・・・。

なにはともあれ、個室なので、また音楽を流すことができるようになりました。
3男愛用のミニスピーカーを強制徴用して、それに私のiPodを接続。妻が好きだったサラ・ブライトマンのアルバム数枚をエンドレスで流しています。

20100204a.jpg

美しい音楽が流れると、病室全体が不思議な優しさに包まれ、雰囲気が一変します。
去年の春、一緒にサラの武道館コンサートに行った時。
妻は、その完璧な歌声に感動し、目にいっぱい涙をためながら、少女のように聴き入っていました。
あのときのことを思い出して、ステキな夢を見てくれればいいけれど・・・。
(今は私のPCからも同じ曲が流れています。)

スピーカーの間にあるのは2男が折ったバラの折り紙。
左手前の花は、Kさんが置いてくださったもの。
今日はまた、熱海からT夫妻が会いに来てくださいました。

たくさんの人の愛と祈りが、妻の脳に、心に、魂に、伝わりますように。

安定期/リハビリ | 【2010-02-04(木) 23:08】 | Comments:(8)
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ベッドに寝たままさすらいの旅? 【2010-02-12(金) 21:37】
妻が倒れてから29日、意識不明になって28日目。

今日はまた6人部屋に引越しました。
個室管理が必要な感染症の患者さんが出たらしく、危険度の低い妻は、またさすらいの旅・・・。
なんだか、ベッドに寝たまま、意識もなく、あっちこっち動いているという、不思議な状態です。
ま、いっか、旅が好きだったし・・・。

看護師さんは、「耳は聞こえていると思いますから、誰もいない個室より、他の人の話し声が聞こえる大部屋のほうが、刺激があっていいかもしれませんね」と言ってはくれるけど、やっぱりカーテンで仕切られているだけなので、話しかけるときも何かと気を使うし、音楽もあまり大きくかけられないし・・・。

でも、まあ重体で動かせないほどではないということだから、これも良しとしよう。
目や口の動きも、よりいっそう出てきている感じだし。
それに差額ベッド代もかからないのは大助かり。

向かい側のベッドには、同じくらいの年齢の女性が、やはり意識を失って寝ていました。
ベッドの横にはおそらく兄妹でしょう、高校生ぐらいの男女が付き添っていました。

(だいじょうぶ。きっと良くなるよ。一緒にがんばろう)と、心のなかで声をかけた。
同じ境遇にいると、不思議な連帯感のようなものが生まれる。
小さな子どもを抱きかかえたお母さん、夫の車椅子を押す奥さん・・・病院では、いろんな病状の人とすれ違うけれど、みんな元気になって早く普通の生活に戻ろうね、なんて思ったりします。

今日はMRI検査があったはずだけど、医師の報告はまた後ほどということみたいです。

安定期/リハビリ | 【2010-02-12(金) 21:37】 | Comments:(6)
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妻が倒れてから30日 【2010-02-13(土) 22:01】
妻が倒れてから30日、意識不明になって29日目。

夜、母と一緒に病院へ。
私たちが行った時はスヤスヤと気持ちよさそうに寝ている様子だったけれど、暖かいオシボリで顔を拭いてあげると、目を開いて、驚いたようにパチパチしてた。

 起こしてしまったかな…ゴメンね。

明日はバレンタインデー。
私は、そういうのにのせられるのはあまり好きじゃないので、いつも決まってゼッタイいらないと言ってたけれど、子どもたちのを買うついでだからと言って、毎年かならず小さなチョコをくれたっけ。

母は、ずっとそのことを考えていたのか、せめて子どもたちにチョコを買ってやりたいというので、病院の帰りにスーパーでお買い物。おかげで今年は、ぐっとグレードの高いものになりました。

いつも夫婦で買い物をしたディスカウントスーパーは、今夜もあのときと同じように、賑わっていた。

また一緒に買い物ができるようになるのはいつ頃だろう。

母との買い物も、なかなか趣があって良かったけれど。

安定期/リハビリ | 【2010-02-13(土) 22:01】 | Comments:(8)
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愛や友情や信頼や優しさや感謝を 【2010-02-24(水) 22:42】
妻が倒れてから41日、意識不明になって40日目。

昼、病院から電話があって、また個室を勧められた。
このところなんとなく話を聞いているような感じだし、周りに気兼ねなく話が出来るから、差額ベッド代を覚悟しつつ、個室に移ることにした。

夕方、行ってみると、引っ越しの最中。
一通りの片づけが終わるのを待って、さっそくiPodのセッティングにとりかかった。

いつものサラ・ブライトマンを流して、顔を近づけ、「また、個室に来れたね。よかったよかった。明日はいよいよT(長男)の2次試験だよ」と話しかけたら、目を半分ほど開き、また昨日のようにしゃくりあげるような呼吸になった。

「ほんとだ、Tの言うとおり、あなたは泣いてるんだね。私の言うことが分かってるんだね。だいじょうぶ、泣かなくてもいいよ」と背中をさすった。
長男の大学受験を支えてやれないこと、妻はどんなに悔しい思いだろう。
「Tは今夜も来たいって言ってるから、また後で連れてくるよ。だから安心して」

個室は、やっぱりいい。ゆったりできるし、病院の中ではあるけれど、音楽や語りかけで、自分たちの空間を作ることができるような気がする。

そろそろ帰ろうとしていたら、神奈川のKさんが病室を訪ねてきた。
なぜいつもこうして会うことができるんだろう。ほんとに不思議で仕方がない。
遠い所を何度も足を運んでくださっていることは紛れもない事実。
その心に、私まで深く癒され、励まされてしまう。

「夜、また長男を連れて来るので、私は一旦帰ります。いつもありがとうございます」と言って、私は一時帰宅。
2次試験を控えた長男のために、もちろん二男と三男のためにも、母と一緒に夕食を準備し、みんなで食べ、長男を連れて病院に。その間、約100分。

病室に入ると、まだKさんがいた。
妻の手をさすりながら、ずっと話しかけていてくれたのだった。
Kさんも、妻が泣いているように感じていたようす。
合格したときのお祝いなど、ちょっと気の早い話をしながら、病室で幸せな時間を過ごした。

Kさんを駅で見送った後、長男は、「素晴らしい…」と言った。

ホンモノの愛や友情や信頼や優しさや感謝を、子どもたちはいま、手で触るように、感じている。

安定期/リハビリ | 【2010-02-24(水) 22:42】 | Comments:(2)
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気管切開について 【2010-02-25(木) 22:01】
妻が倒れてから42日、意識不明になって41日目。

夕方、担当医とのミーティング。
現在の状態は、悪くはなっていないが、良くなっているということもいえない。目は開きかけているけれど、それ以降は医学的にはあまり進展がないということらしい

でも、家族がじかに接して感じるのは、ゆっくりだけど、少しずつだけど、ノロノロだけど、良い方向に向かっているということだ。
医師が植物状態を宣告してからも、数週間、数ヶ月で目覚めたという話もあちこちで聞くし、希望を失わないでいたい。

今日のミーティングのメインは、気管切開についてだった。
妻はいま気管が狭くなっているため気管挿管によって呼吸をラクにしているけれど、これは感染症のリスクが高く、あまり長く続けることはできないらしい。実際、ここ数日はずっと38度前後の熱が続いている。

それを避けるためには、気管切開手術をするしかないということ。
喉(首)に穴を開けて、そこから管を通し、呼吸を確保するという方法だ。

これだと、痰が肺に入ってしまうことがないため、感染症のリスクが小さくなる。だけど、穴を塞ぐまではしばらくは声が出なくなってしまうという問題もある。
今はまだ意識がないけれど、戻ったときに、声まで出ないとなると、かわいそうでたまらない。

妻は、とても歌がうまかった。
あのキレイな声や、明るい笑い声が聞けなくなるのは、とってもつらい。
だけど、より安全を期すためには、どうしようもないのかもしれない。

子どもたちみんなに相談してみた。
母の体にまたメスを入れることに対して、子どもたちはみんな真剣に考えた末、やっぱりやってもらおうということになった。声が出なくても、母さんは母さんだと。

そんな話をした後でも、子どもたち3人は、普通にじゃれあって遊んでいる。高校生と中学生、みんな♂。しかも長男は、明日2次試験の2日目だ。
私の膝に頭を乗せて、英単語の勉強をしている。なんとかなるよ、と言って。

「ところで、君の試験は、なんとかなってるの?」

「まあね、明日の試験次第ってとこかな・・・」

よく聞き出すと、平均よりちょっといいかなというところらしい。ようするに当落線上にいるということか・・・。

長男の予言によれば、妻が目を覚ますのは、合格発表(3月10日)の直前。――ということは、もし落ちるとしたら、来年になってしまうということなの?

「オレを入れないようじゃ、あの大学も未来がないよね。そう思わない?」

 (なんだか、落ちた時の言い訳みたいな話だなあ・・・)

安定期/リハビリ | 【2010-02-25(木) 22:01】 | Comments:(8)
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40度の熱 【2010-02-26(金) 23:34】
妻が倒れてから43日、意識不明になって42日目。

昼過ぎ、銀行で月末の会社関係の支払いを済ませた後、そのまま病院に行った。こうした経理事務は、すべて妻が行っていた。
通帳にあるメモ書きや、キッチリとつけられた支払いノートなど、少ない収入を上手にヤリクリしていた様子がほほえましい。
妻のキレイな文字を見ていたら、なんだか急に会いたくなり、そのまま病院に直行ということに。

病室に入ると、妻はかなりつらそうな様子。どうも40度近い熱があるらしい。痰が絡んで、息も苦しそう。心拍数も150を越えている。
昨日の胸部レントゲンでは肺炎の兆候は見られなかったけれど、油断はできない。

看護師を呼ぶと、すぐに痰の吸引をしてくれた。
さらに解熱剤によって体温を下げたら、いつもの落ち着いた呼吸になり、ひと安心。
今日は早めに来て本当に良かったと思った。
こんな些細なことでも、「神は私たちと共におられる」と思えてしまう。

やはり、長期間の気管挿管は、感染症の危険が高まるので、怖い。
来週早々にでも、気管切開をしてもらうことになった。

妻の状態が落ち着いた頃、同じ埼玉のT夫人が病室に来てくれた。
入院直後のタイヘンなときに、うちに来て子どもたちの食事を作ってくれたりした人。
同じ埼玉のよしみで家族ぐるみでお付き合いさせていただいていた。
精神的にも、物理的にも、妻が(そして私も)頼りにしていた人。
妻の苦しそうな顔を見て、私までなぜか息苦しく、胸が詰まるような感じだったけれど、こうして話すだけでも心を落ち着けることができる。
今日も、子どもたちへのオミヤゲにと、帰り際わざわざドーナツを買ってくださった。

さて、今日は長男の二次試験2日目。
どうだった…と聞くと、「ドキドキしながら3月10日(合格発表)を待つのみ」と応えた。
そのココロは、ようするに、撃沈でもないけれど、楽勝でもないということらしい。

見た感じではやけに明るいので、これは大丈夫なんだろうと思いたいところだけど、もともとが明るくポジティブな子なので、見た目だけでうかつに信じることはできない。

「でもさあ、どうしたらオレみたいな良い子に育つの?」

それ、自分で言うか!? こんどじっくり教えてやります。

さっきまで長男と話し込んでいたので、今夜は更新が遅くなってしまった。

安定期/リハビリ | 【2010-02-26(金) 23:34】 | Comments:(4)
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悟りのまなざし 【2010-02-28(日) 23:40】
今日は船橋のGさんが来てくれた。
妻が倒れたその夜に来て、そのまま3日間ずっと一緒にいてくれた人。

妻の状態は、昨日と同じように穏やかで、私たちがいる間、ずっと目を開いていた。

100228.jpg

20年間、いっしょに暮らしてきた妻ではあるけれど、この悟りきったような目でじっと見つめられると、自分の穢れや虚飾が洗い流され、清められるような気がしてくる。
もしかしたら、覚醒していないのは、こちらのほうではないか…というような錯覚さえわいてくる。

そうでありながら、どことなく幼い子どもの目のようにかわいくもあり、いつまでもいつまでも見ていたくなってしまう。
というわけで、Gさんには先に我が家に行ってもらい、私は30分ぐらい延長して、ずっとラブラブな感じで見詰め合っていた。涙がこぼれたのは、何かを感じてくれたのだろうか。

     *

さてさて夜は、長男の受験お疲れ会ということで、母の招待で回転寿司に。家族同然のGさんも一緒。
いつもなら全皿100円均一の所だけど、今回はスポンサーのご好意により、大トロが500円以上もする、やや高級回転寿司だった。

久しぶりの外食に、子どもたちは大喜び。
家族が病気で寝ていようと、意識がまだ戻っていなくても、おいしいものはおいしいんだなあと、思った次第であります。

安定期/リハビリ | 【2010-02-28(日) 23:40】 | Comments:(4)
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人を愛し、人に愛されて 【2010-03-02(火) 23:37】
今日もいろいろあって、病院に行ったのは夜。

「遅くなってゴメンね」というと、かすかに瞬きが増えたように見えたのは、気のせいだろうか。

たくさんの人が、妻のことを気に掛けてくださっている。

今日は、彼女の携帯やPCのアドレス帳から、親しくお付き合いをしていた人たちに、報告のメールを送った。

私にとってはかけがえのない妻だけど、それぞれの人にとっても、大切な友人であり、幼なじみであったり…。

いろいろ話を聞くにつけ、妻は、本当に人を愛し、人に愛されていたというのがよく分かる。

気管切開の手術はまだだった。明日あたり行われるのだろうと思う。

難しい手術ではないと聞いたけれど、それでも、やっぱりかわいそうで、たまらない。



安定期/リハビリ | 【2010-03-02(火) 23:37】 | Comments:(5)
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手を握り返してくれた! 【2010-03-03(水) 23:55】
今日も夜しか病院に行けなかった。

手の指が乾燥して、カサカサしてきたので、クリームを塗ってあげた。

指の1本1本、ていねいに、ていねいに。

爪がまた伸びてきたので、切った。

パチンパチンと、慎重に、慎重に。

関節が固まらないように、足の屈伸を、左右それぞれ10回ずつ。

背中と布団の間に手を入れて、マッサージ。痒いところに手が届くように。

1時間ぐらい、いろんな話をしながら、夫婦の時間を過ごした。

今日、妻の目は、半開き程度。昨日よりも少し光が弱い気がした。

眠かったのかもしれない。

帰り際、「じゃあ、帰るからね」と言っても、何も反応がない。

ゆっくりでいいから…と思っていても、いつも何かを期待してしまう。

今日は、なんとなく1歩後退したような気がして、家に着いたときは、少し気持ちが落ち込んでしまっていた。

私の様子をすぐに見抜いた長男は、「何も変わらないのは、とりあえず良いことだよ」と言って明るく笑った。

「そうだね」と応えつつ、やっぱり心が重い。

     *

――と、ここまで書いた頃、神奈川のKさんから電話。

「今日ね、Tさんと一緒に病院に行ったら、私の手を握り返して来たよ。」

「ええ!? ホントに? 私はさっきまで行ってたけど、あんまり反応がなくって、ちょっとガッカリしてたのに」

「ホントホント。ちゃんと握り返してくれた。スゴイねえ。大丈夫。だんだん良くなってる!」

その言葉に、私は胸がいっぱいになり、何も言葉が出なかった。

妻の反応と、KさんやTさんの心遣いに、涙が止まらなかった。

それにしても、夜に私が行ったときに反応しないのは、ちょっと寂しかったけれど…。 ま、いいか…。

何はともあれ、おかげさまで1歩前進です。 感謝! 感謝! 感謝!



<Tさんからのメール>

今朝、Kさんから電話があり、病院に行くので一緒に来ませんかとのこと。
5時を目当てにね、ということでしたので余裕で出かけたら4時半に着いてしまいました。

音楽のボリュームをあげて歌を歌いながら手足をマッサージしました。
左目は半分開いてずっと動いていましたし両方とも瞬きをしきりとしていました。
口は舌を動かして私が語りかけると反応していました。

Kさんが遅かったので2時間くらい居ました。
Kさんが代わって手をもんでいたら握り返したというのです。
それも強い力で。

私たちがあまり長く居ていろいろとおしゃべりしたので疲れてしまって
ご主人が来られたときは眠かったのではないでしょうか。

先週まではあまり反応が感じられなかったけれど、
瞬きもあるし口も動かしてくれるようになったので、
訪ねてくる甲斐がでてきたわねと、Kさんと話し合いました。

客観的にみて本当によくなっていると思いますよ。
あんなに反応するのですから。

安定期/リハビリ | 【2010-03-03(水) 23:55】 | Comments:(11)
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信じるチカラ 【2010-03-06(土) 19:58】
妻が倒れてからまもなく2ヶ月になろうとしている。
最近、分かったことだけど、回復期のリハビリ病院に転院するためには、発症(手術)から2ヶ月以内という壁(法的な決まり)があるらしい。
2ヶ月を1日でも過ぎると、仮に急に意識が目覚めて体が動き出しても、リハビリ病院に入ることはできないということだ。

その日まで、あと1週間しかない。
目は開いたものの今なお意識がハッキリしていない妻は、もうそのリミットに間に合いそうもない。
それでも希望を持ちたいところだけど、仮に今すぐに意識回復したとしても、どこも予約がいっぱいで、病室の確保が難しいと言われた。

あとは、リハビリをあまり積極的に行わない療養型の病院に入るしかないという現実が迫ってきている。
もちろん、そういう施設でも比較的リハビリに積極的な所はあるらしいけれど、かなり遠方になってしまう可能性が高い。

いろんな理由があるのだとは思うけれど、苦しんでいる患者に追い討ちをかけるような制度に思える。
一律に決めてしまうのではなく、患者一人ひとりを見ることはできないのだろうか。

妻はまだ52歳。見た目的には、フツウに元気そうなのに。

     *

今日は長男と一緒に病院に行った。
目を開いて、声のするほうにしきりに顔を向けようとしている感じがする。

医学的にはどうか分からないけれど、家族の実感としては、こちらの気持ちが通じているように思えてしかたがない。

いま読んでいる「自分で奇跡を起こす方法」「脳障害を生きる人びと」「壊れた脳 生存する知」という本では、自発呼吸もなく脳波もなかった人が半年後に意識を取り戻し今では歩けるまでになったという話や、植物状態と言われている時でも、意識があって周りの人の話を記憶していたということなど、興味深いが実例がたくさん報告されていた。

どの本にも、たとえ反応がなくても、意識がある可能性を信じて、諦めないで語りかけを続けることが大切だと書いてあった。

「母さんはゼッタイに帰ってくると、諦めずに信じ続けよう」――今日、子どもたちと話し合ったこと。

そういう家族の心が、きっと彼女に良い影響を与えるし、どうせ待つのならそのほうが希望を持って生活できるし、万が一、時間切れになったとしても、そう信じ続けたほうがずっと幸せでいられるし、私も子どもたちも成長できるし、夫婦関係、母子関係を深く保つことができるし――とにかく、良いことだらけだから。







安定期/リハビリ | 【2010-03-06(土) 19:58】 | Comments:(7)
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二人で立ち上げた会社 【2010-03-09(火) 23:27】
大きな、そして大切な仕事の目処がついた1日。

妻が元気な頃から関わっていた案件で、内容(本の制作)や金額的な規模など、彼女自身とても期待していた仕事なので、病院でしっかりと報告をしてきた。

「さすが、パパ!」
「ぜんぶ、Tさんのおかげだけどね」
――いつもなら、そんな会話が交わされていたはず。

20世紀が終わる頃、会社を辞め、夫婦で小さな会社を立ち上げた。
大きな波も、小さな波も、二人で乗り切ってきた。

こうして大きな仕事が一段落すると、私が精神的にラクになるので、妻はとても喜んでくれていた。
早く、彼女の喜ぶ顔、安心する顔がみたい。

今回もこの仕事がらみで熱海のTさん夫妻がわざわざ我が家まで来て、さらに病院にも寄ってくれた。

脳に効くという足のマッサージをすると、太ももから足首から、結構動いていたらしく、ずいぶん良くなっているように見えたと言ってくれた。
(昨日、私がマッサージをしたときは、足の親指が動く程度だったんだけれど…)

Tさん夫妻は、妻が倒れたその夜に、熱海から出てきて、そのまま3日間も寄り添ってくれた人。
奥さんは、妻の手術中、私と一緒に待合室で徹夜してくれた。
ご主人は、子どもたちの朝食を作り、センター試験に向かう長男の弁当まで作ってくれた。

仕事面でも助けてもらったけれど、転院先探しのほうでも真剣に関わってくれて、私も子どもたちもいつも支えられている。

明日、その協力の中から見つけた一つの候補に電話してみようと思ってます。

安定期/リハビリ | 【2010-03-09(火) 23:27】 | Comments:(0)
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気管切開の日 【2010-03-11(木) 22:50】
今日は気管切開手術の日。

手術の直前、手術室に向かう途中の廊下で、同意書にサインをして、立ち会った。
同意書には事前にサインをしていたけれど、直前にもこうしてサインをする決まりらしい。

あの生死をかけた緊急手術の時と同じ手術室。
あの時と同じ待合室で40分ほど待った。
今回は、長男が一緒に付き添ってくれた。2日後には後期試験を控えているというのに。
一応、参考書を持ってきてはいたけれど、ほとんど父子の会話で時間を費やしてしまった。

簡単な手術だという説明は受けてはいたけれど、喉を切るということをイメージすると、なんともいたたまれず、こちらのほうが苦しくなってしまう。
それでも、手術後の妻のようすをみると、口から入っていた管が取れてスッキリした感じ。本人もラクそうに見えた。

主治医の話では、脳の腫れはほとんど引いているので、あとは意識の回復を待つだけということ。
今の病院ではとくに医学的にすることはもうないので、語りかけたり、体をさすったり、たくさん刺激を与えてくださいと言われた。
看護師長さんに、アロマテラピーや音楽療法のことなどを話してみると、できることは何でもやってみてくださいと言ってくれた。

聞き方によっては、医師がさじを投げたとも取れるけれど、家族の関わり方次第で回復は可能というようにも取れる。

とにかく時間の許す限り、傍にいてあげたい。

母親がこんな状態だというのに、夕食時には部活の話や、誰が一番運度神経がいいかというような話で盛り上がった。
食後も、いろんな思い出話に花が咲く。

この3人兄弟を小さい頃から知っているTさん夫妻は、「いまどき絶滅種のようなフシギな子どもたち」と言っていたけれど、最近、私もそんな気がしてきた。

(二男については、はじめからそう思ってたけれど・・・)

安定期/リハビリ | 【2010-03-11(木) 22:50】 | Comments:(5)
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妻の横で久しぶりに仕事を 【2010-03-12(金) 23:56】
夜、病室にチェック用の原稿を持ち込んで、2時間ぐらい妻の横で仕事をした。

彼女が元気なころは、こうして根を詰めて仕事をしていると、コーヒーを出してくれたり、マッサージをしてくれたり、気分転換の世間話に付き合ってくれたり、いつもいつも助けられていた。
たいていの場合、夫婦の雑談は長引く傾向にあり、妻はそのつど仕事のジャマをしていると思っていたようだけど、私はそういうひとときが、とても楽しく、嬉しかった。

今日は、一歩通行ではあったけれど、でも、1ページチェックするごとに、仕事の内容や、子どもたちのことを話しかけたりすることができた。
妻は、しっかりと目を開いて、こちらを見つめながら聞いてくれたし、なんだか、いつもと同じような感覚がよみがえったような気がして、懐かしかった。

いま編集中の原稿は、漢方の専門書。
人間と宇宙のかかわりや、陰と陽の出会いによって、すべてが生まれ、生成していく様子が書かれている。
中医学の新進気鋭のエキスパートによる力作だ。
妻が元気な頃、大手企業のクライアントから依頼された単行本制作の仕事で、彼女は完成をとても楽しみにしていた。

それにしても、西洋医学とは全く違う体系、哲学をもつ東洋医学。
こういう大きな流れに心を向けると、目の前の障害が小さく見えて、気持ちが楽になってくるようが気がする。
専門書だけに内容はかなりハードだけれど、医学書というより、哲学・思想書と思って読めば、なかなか面白い。

     *

来た時と、帰り際と、2回、足のマッサージをした。
足首を曲げて、ねじり、伸ばしたり、押したり・・・すると、体をよじり、目を大きく見開いて痛そうな顔をする。

「痛かった? ゴメンね。でも、目が覚めたときにちゃんと歩けるようにするために、これが良いんだってよ。これから毎日やるから、覚悟してね」

私を見つめる目に、少し恨みがこもっているように見えたのは気のせいだろうか。

「痛いっていってるでしょ!」と怒られる日が、きっと来るような気がしてならない。


安定期/リハビリ | 【2010-03-12(金) 23:56】 | Comments:(2)
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春の匂い 【2010-03-13(土) 23:50】
春が来たという感じの暖かな1日。
風にのって春の花の甘い香りが漂ってきます。

例年、この時期は車に乗って少し遠くの公園や植物園に行き、季節の巡りを味わうのが楽しみだった。
妻は草花の名前をよく知っていて、一つひとつ名前を呼んでは、カワイイとか、キレイを連発していたっけ。

もう少ししたら、桜も咲き始める頃。

毎年、家族だけでささやかな花見の会を催してきたけれど、今年はもう間に合いそうもないな。

病院の敷地にも桜並木があり、病室の窓からもかろうじて見える。
せめて、そこから眺めることだけでもできれば、と思う。

     *

今日は、おばあちゃんがいったん山形の実家に帰ったので、久し振りに家族4人+1ワンで夕食を食べた。

母親が意識不明という状況にありながら、この子たちの明るさは、父親の私から見ても驚くほど。
無意識にか、意識的にか、兄弟3人がそれぞれ関わり合い、励ましあい、じゃれあい、ケンカし合い、お互いを必要とし合いながら、寂しさや不安を乗り越えようとしている。

むしろ、「父さんが一番心配」と言われているという、ちょっと情けない状況であります。
「どうやって父さんを支えるか」と、よなよな密談しているようすもあったりで・・・

     *

今日は、長男の後期試験の日。
撃沈するかと思われたけれど、英語、数学、論文と長時間の試験を最後まで捨てずに楽しめたと言っていた。

前期試験よりもはるかに高度な問題なので、合格はまさに奇跡レベルのことだけど、英語と数学の落ち込みが、得意の論文でカバーできる程度であれば、奇跡が起こるかも・・・だそうです。




安定期/リハビリ | 【2010-03-13(土) 23:50】 | Comments:(4)
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妻が信頼していたM先生 【2010-03-14(日) 23:58】
妻がとっても信頼していた治療師のM先生と熱海のT夫妻が来て、足を中心に専門的なマッサージをしてくれた。
フシギな力で、人を癒し、本来の治癒力を引き出し、回復をもたらしてくれる人。
妻は幾度となくその治療を受けて、その力を心から信頼していた。

M先生の治療を受けた妻は、痛そうな顔をしたり、別れ際には泣き出しそう顔をしたり、昨日までとはぜんぜん反応の仕方が違っているような感じがした。
このままかもしれないと思ってしまいがちな私に、また希望の光が灯ったひと時だった。

もともとM先生は、Tさん(奥さん)から紹介された人。
妻自身はもちろん、私も、子どもたちも、実家の親まで治療でお世話になっていた。
いうまでもなく妻は、M先生も、T夫妻も、心から慕い、大好きな人だった。

夜は、受験勉強にがんばたっ長男の慰労会をかねて、Tさん(ご主人)が豪華ディナーを作ってくれた。
食材はもちろん、食器まで持参で来てくれた。
M先生も一緒。

次から次へと出てくるおいしそうな料理に子どもたちは大喜び。
私も、心から感動してしまった。
料理に感動するということは、めったにないこと。
おいしさはもちろん、その心遣いが心にしみた。


安定期/リハビリ | 【2010-03-14(日) 23:58】 | Comments:(4)
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2ヶ月が経ちました。 【2010-03-15(月) 23:37】
妻が倒れてから今日で2ヶ月が経った。

手術直後や1ヶ月目の頃から見ると、全体的な状態もずいぶん落ち着いてきているように見える。
目も開いてきたし、マッサージに反応して体も動くようになった。

だけど、こちらの動きを目で追ったり、呼びかけに応じたりという反応は、まだ出ていない。

正直、意識不明がこんなに長くなるとは思わなかった。
戸惑いや、不安や、悲しみに押しつぶされそうになることもあったけれど、多くの人が支えてくれたおかげで、なんとかここまで乗り切ってこれました。

介護問題や医療行政など、これまでどこか他人事のように思ってきた問題に、今は正面から取り組まざるを得ない状況にある。
同時に、生きるとは、生命とは、意識とは、心や魂とは、いったい何なのか――そんなことを毎日のように考えさせられてもいる。
子どもたちとの議論も、そういう感じのテーマが多くなった。

     *

そういえば長男の後期試験の論文の問題の1つは、「平和」だった。

平和とは何か。戦争のない状態という考えもあるけれど、戦争がなくても、平和とはいえない状況にある人がたくさんいる。平和だけど、不幸な人もいるし、平和がなくても、それなりに幸せな人もいる。

「明日食べるものがない平和を捨てて、明日の食べ物のある戦争を選ぶ人々がいる」というような問題文の中の1節が、すごく印象に残っている。

「平和を守るために戦争をする」という皮肉さえ現実にあるわけだし、考えれば考えるほど、問題の深みにはまっていく。

テストでは、限られた時間、文字数で、自分の考えを展開しなければならないので、かなりタイヘンだったようだけれど、前期試験よりも、ずっと面白かったと長男は言っていた。



安定期/リハビリ | 【2010-03-15(月) 23:37】 | Comments:(2)
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動画を見る目の反応 【2010-03-16(火) 23:59】
病室に行くと、妻は眼を開いて起きていた。
たとえ意識がなくても、眠っているときは眼を閉じて、起きているときは眼を開いているから、分かりやすい。
眼を見つめながら、いろんなことを話した。

今日は長男の高校の卒業式。
父も母も参加できなかったけれど、それでも明るく堂々と高校最後の日を送り、打ち上げを楽しみ、帰ってきた。
妻は、どんなに参加したかったか。有数の進学校に入った自慢の息子。

1時間ほど、子どもたちことや仕事のことや思い出などを話していたら、疲れてしまったのか、目が閉じそうになった。
おやすみ、と言って帰ろうと思ったけれど・・・

「あ、そうだ。こないだのパーティの様子、見せてあげようか?」と言って、おととい、熱海のT夫妻と、M先生を迎えた夜のパーティの動画を見せた。

すると、閉じかけた目がパッチリと開いて、ずっとモニターを見ていた。
ごちそうを前にした子どもたちの歓声や、妻が大好きなT夫人の声が聞こえる。


「Yさん、また料理の腕が上がったね。すごい料理が次から次へと出てきて、子どもたちも大喜びだったんだよ。あなたがこんな状態なのにね」

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   妻の目はじっとモニターを見ている(ような気がする)


「とくに、イカ墨スパゲッティは絶品だった」

100316c.jpg


   目はずっと開いたまま。


「それと、いつもの酢の入った野菜炒めみたいなやつ。あれはあなたも大好物だったよね」


   ただ開いているだけの目とは、違う気がする。


100316b.jpg


「もうこれでおなかがいっぱいと思っても、またおいしいのが出てきてさ、それがまた食べられるからフシギ。全部で10品ぐらいあったと思う。おいしい料理って、人を幸せにできるよね。」


   目には涙がたまっていた。
   眼を開き過ぎたせいか、それとも何かを感じたのか。


「あなたが作る料理も最高だったよ。おいしいって、あんまり言わなかったけど、ほんとにおいしかったんだよ。いまさら言うなって思ってるかな・・・」

   きっと眠いはずなのに、
   それからしばらくは、眼を開いたままだった。

安定期/リハビリ | 【2010-03-16(火) 23:59】 | Comments:(4)
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妻の手 【2010-03-17(水) 23:58】
妻の手。

柔らかくて、ふっくらしていて、元気な頃と何も変わっていない。

100317.jpg


子どもたちのYシャツを毎日1つ1つ手洗いをしていた。

毎朝、弁当を作り、朝食を作り、昼食を作り、夕食を作っていた。

デスクワークで疲れた夫の肩や背中をマッサージしてくれた。

お風呂のカビ退治に執念を燃やしていて、毎日のように浴室全体を掃除していた。

その浴室掃除の途中で、倒れた。

1月15日・昼。
真冬にしては暖かな日だったけれど、日が当たらない浴室は、きっと寒かっただろうと思う。

あのとき、風呂掃除をさせなければ・・・そう思ったこともあるけれど、でもいずれ何かのキッカケで脳出血は起こったに違いない。

悔やんでも悔やみきれないこと。

寂しさや不安のなか、不思議な幸福感も漂う日々。

たしかに寂しくはあるけれど、でもなぜか決して不幸ではない。

今を出発点として、これからまた我が家の歴史を作って行きたいとも思う。

安定期/リハビリ | 【2010-03-17(水) 23:58】 | Comments:(4)
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ちょっと疲れ気味・・・ 【2010-04-02(金) 23:54】
私自身の体調が思わしくなく、今日は病院に行けなかった。

もう妻が倒れて2ヶ月半。さすがにいろいろな疲れが出てきたような気がする。
がんばらなければと思いつつ、がんばり過ぎて倒れるわけにはいかないし・・・。
かといって、がんばらないと、やっていけないし。

「まだ意識は戻っていないの? タイヘンだねえ」というようなことを言われると、どう答えたらいいか困ってしまう。

「回復するかどうかは家族のがんばり次第」というような”激励”は、「回復しないのは家族の怠慢」みたいに聞こえなくもないし。

今日の私の体調不良、みぞおちあたりの奥のほうが冷えている感じで、また、手足の指先が痛いほど冷たくなり、とても苦しかったけれど、子どもたちが3人がかりで、体を温めてくれたりマッサージしてくれたりして、何とか起き上がれるくらいまで戻った。

たしか1年ほど前にも同じような症状になったことがあった。
その時は、妻に連れられて近くの病院に行き、さらに精密検査のために大きな病院にも行ったけれど、結局、1時間以上待った後の3分間だけの診察で「疲れでしょう」と言われて、適当な薬をもらって帰された。
だいたい病院で待っている間に、ひどい症状は治まっていたから、その薬も飲まなかった。
あの時も、疲れやストレスが相当溜まっていたような記憶がある。

その経験があったから、しばらくじっとしていれば、この苦痛は過ぎ去ると信じて耐えることができた。
そうでなければ、すぐにでも救急車を呼ぼうと思うくらいきつかった。

とにかく、私まで倒れるわけにはいかない。

ムリをせずにがんばるという、何だか難しい綱渡りをしているような日々だけど、母や子どもたちに支えられて、今日も一つの苦しみを乗り越えることができました。

安定期/リハビリ | 【2010-04-02(金) 23:54】 | Comments:(7)
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植物療法(フィトセラピー)のオイル 【2010-04-05(月) 22:43】
桜の花が満開なのに、少し肌寒い1日。
いつもの妻なら、花粉症でつらいこの季節。
痰が絡んでタイヘンかもと思ったけれど、どうやら心配なさそう。
気管切開して喉から呼吸しているので、鼻づまりもあまり関係ない感じだ。

夜の9時過ぎ。消灯時間を過ぎた病室には、ほのかな灯りが点っている。

ここ数日は、つながっている管が少なくなったので、かなり自由に体を動かせるようになった。
両手をバンザイするように上に上げると、驚いたように眼を見開く。

脚のほうも、ちょっと過激と思えるぐらい伸ばしたり曲げたり捻ったり回したり。
痛みを感じるほど強く押すと、ちょっと苦しそうに顔をゆがめる。
そのうち「痛いっ!」て言ってくれるんじゃないかと期待している。
(でも、気管切開しているから、今はまだ声は出ないか・・・)

ついさっきまでT夫妻がここにいたはず。
仕事の絡みではあるけれど、熱海からわざわざ来てくれた。

それは、メラ○○ーカの独特の匂いでも分かる。
妻が愛用していた植物療法(フィトセラピー)のオイル。
きっと、Tさんが妻に塗ってくれたのだ。

元気な時であれば、子どもたち以上に、まず妻が喜んで迎えていた最高の友だち。
いつもいつも1時間を越える長電話をしていた。
(今は子どもたち(とくに長男)が、妻に代わってもっと長い電話をするようになっているけれど)

今日はどんな話をしたのだろう。
どんな話をしたかったのだろう。

大人になってからこうした特別な人間関係が結べるのは、ほんとにありがたいことだ。
妻の、明るく素直で率直で誠実で天然な性格のおかげだと思う。

     *

さて、転院先。
リハビリにも積極的に取り組んでくれるという病院と交渉中だ。
車で1時間ぐらいの所にある。
今より倍以上遠くなってしまうけれど、何よりも妻にとっては、きっと良い環境に違いない(と信じている)。

ただ人気があるだけにベッドの空きがなく順番待ちになるらしい。
この病院から直接転院できなければ、どこか他の病院を経由して、迂回転院ということになるかもしれない。

それでも、とにかく早く先に進みたい。
来年は、妻と一緒に花見がしたいから。

安定期/リハビリ | 【2010-04-05(月) 22:43】 | Comments:(2)
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しみじみとした夜 【2010-04-06(火) 23:57】
今夜の「病院詣で」は、長男と一緒。

ベッドに寝る妻を挟んで、いろんな思い出話をした。

お互いの両親に初めて会った頃のことや、それぞれの先祖のこと。

なんだか、しみじみとした夜だった。

妻は、時折パッチリと眼を開いて、聞いているようでもあり、夢心地のようでもあり。

いつか、あんなこともあったねえと思い出すことになる1日のような気がする。

とにかく、妻が倒れて以来、毎日毎日がとても貴重に感じられる。

近いうちに、転院先に面接に行くことになった。

安定期/リハビリ | 【2010-04-06(火) 23:57】 | Comments:(1)
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転院先で見えた希望 【2010-04-07(水) 23:58】
昼、転院先の病院に行き、ソーシャルワーカーの方と話をしてきた。
とても丁寧な説明の後、一通り院内の見学もさせていただいた。

施設も、理念も、ケアプログラムも、雰囲気も、そしてスタッフの皆さんも、とても良い感じだった。

リハビリルームでは、楽しそうな人も、少しつらそうな人も、とにかく一生懸命、リハビリに取り組んでいた。
アートセラピーで患者さんたちが描いた絵が壁に貼ってあった。

作業療法では、料理を作ったりもするらしい。
妻は、台所仕事が好きだったから、きっと効果が大きいと思う。

まずは、早く意識が戻るように刺激を与え続けることから始めることになるけれど。

とにかく1日も早く、ここに連れて来たいと思った。
早ければ連休明けか、遅くとも5月中にはなんとか転院できそうなニュアンスだった。

今の病院から比べると、かなり遠くはなってしまうけれど、そんなことは大した問題じゃないと思ってしまうほど、妻にとっては素晴らしい環境であると感じられた。

この病院は、実は妻が敬愛して止まないM先生のお墨付きの病院。
10数箇所の病院リストの中から、ある特殊な方法で、「ここなら大丈夫」と選んでくれた所。

実際に行ってみると、それが正しかったということを実感した。



安定期/リハビリ | 【2010-04-07(水) 23:58】 | Comments:(5)
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踊りながら電話を 【2010-04-11(日) 23:15】
手術のときにすっかり剃られてしまった髪の毛も、ショートカット(かなり短めだけど)というぐらいまで伸びてきた。

心臓もしっかり動いているし、呼吸も(喉からだけど)正常。
顔のむくみも消えて、見た目は元気な頃とそれほど変わらない。

半月ほど前までは体温が37度~38度あたりを行ったり来たりしていて、いつも体を冷却する氷枕のようなクッションを入れていたけれど、気管切開してからは、それもあまりなくなった。

血圧は、どうなんだろう。
ずいぶん前からモニターが撤去されているので分からない。
きっと、問題ないレベルなんだと思う。

いつもほとんど水平レベルだったベッドも、ここ最近は30度ぐらいの角度がついて、少し上体が起きているような感じになっている。

手足の関節は、毎日マッサージをしているせいか、まだまだ普通にしなやかに動く。
少しだけ左足の膝が硬いような気もするので、今日は重点的に動かした。

ただ、ちょっと前まではよく開いていた目が、なんとなく閉じていることが多くなったような気もする。
たまたま寝ている時間なのか、あるいは意識活動が少し出てきて、かえって疲れて眠っているのか。

     *

昨日、妻の実家からお米が届いた。
おかげさまでこの20年間、我が家は米を買ったことがほとんどない。
3人の子どもたちは、おじいちゃんおばあちゃんが作ったお米(それも本場のコシヒカリ)を食べて、ここまで大きくなった。

お礼の電話をしたら、天候不順で今年は米も野菜も厳しい状況だということ。
いろんな心配が重なり、きっとタイヘンな状況なのに、いつも私たちを応援してくれる。

いつもなら妻が、「おじいちゃん、お米ありがとう!」と、底抜けに明るい声で電話していたはず。
その姿を横で見ていると、踊りながら感謝や喜びを表現しているから、とっても面白かった。

「そんなに身振り手振りをしても、電話では見えないと思うけど」と無粋なことを言うと

「それがねえ、おじいちゃんにはちゃんと通じるんだよねえ」と言って笑った。

電話では見えなくても、実の親子ならその気持ちは通じているのかもしれないね。
私自身、妻と電話で話しているときには、彼女がどんな顔で、どんな格好で話しているのか、まるで目の前にいるように感じられたし。

妻は、実家のお父さんお母さんも、そして私のほうの親も、大好きだった。

早く元気になって、せいいっぱい親孝行がしたいに違いない。

安定期/リハビリ | 【2010-04-11(日) 23:15】 | Comments:(1)
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瞬きでのコミュニケーション? 【2010-04-12(月) 23:35】
4月も半ばなのに、冷たい雨が降る1日。
今日は久しぶりに昼のうちに会いに来れた。

私が来たときは寝ている様子だったけれど、手足のマッサージを始めたら眼を開いてくれた。

しきりに瞬きをするので、それでコミュニケーションできないかと思い、今までも何度か試してみたけれど、こちらの問いかけに対する反応なのか、単なる反射なのか、はっきりとは分からない。

「1,2の3で、パチってやってね。ハイ、1,2の3!」と言っても、できたりてきなかったり、1~2秒遅れてできたり・・・そもそも10秒に1回ぐらい瞬きをしているので、なかなか確認は難しい。

「パチパチって、2回、続けて見て」と言うと、10回に1回ぐらいできるかどうか。
これも、意識的な動きかどうかは微妙なところだ。

口の動きでも試してみたけれど、やっぱり同じ感じ。

手術直後、手も足も目も口も全く動かなかった頃からすれば、今は、両手両足が、たとえ反射的なものであっても、かなり動くようになっているのだから、回復には向かっていると信じている。

安定期/リハビリ | 【2010-04-12(月) 23:35】 | Comments:(5)
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最後の夜に 【2010-04-21(水) 22:51】
この病院での最後の夜。
3ヶ月間、妻はずっと寝たままだったけれど、それでもいろんな思い出がしみこんだ病室。

まだ正月気分の残ってた”あの日”から、節分も雛祭りも過ぎて、春が来て、桜が咲いて、散って、私も50になった。

結婚してから今まで、どんなに遠くに出張していても、いつも電話で話したから、1日だって妻の声を聞かない日はなかったのに。もう”あの日”以来、聞いてない。

  ラッキーの予防接種も、おととい一人で行ってきたよ。
  動物病院に行って、フィラリア予防の薬ももらってきたし。

  昨日は、三谷幸喜の「わが家の歴史」を見た。面白かった。
  あなたが横で一緒に見ているような気がして、しかたがなかった。

  明日は転院だね。
  苦労してようやく探し当てた病院。
  気に入ってもらえたら嬉しいな。
  また新しい出会いがあるね。
  もしあなたの意識が戻り、みんなと話ができるようになったら、
  きっと病院中を明るくできると思う。

  天気の良い日は、車椅子で外に出ようね。
  そしたらラッキーとも再会できる。
  ラッキー、どんな反応をするだろう。

  2010年・春。
  わが家の歴史は、予想外の展開になっているけど、
  これからどうなっていくのか、
  不安よりも、希望や楽しみのほうが大きい気がするなんて
  なんだかヘンな感じだよね。

  とにかく、明日からも一緒に前に進もう。

     *

転院を機に、ブログのタイトル、変えました。
向日葵をひらがなにして、”闘病”をとりました。
とくに深い意味はないけれど、なんとなく”闘ってる”という感じではないので。

安定期/リハビリ | 【2010-04-21(水) 22:51】 | Comments:(3)
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転院・新たな出発の日 【2010-04-22(木) 23:22】
今朝、3ヶ月過ごした病院を発ち、介護タクシーで約1時間。
道中、妻の傍には長男が付き添い、私は車でその後を追いかけた。
冷たい雨が降る中ではあったけれど、昼前にはこれからの希望をつなぐ新たな病院に無事到着。

着いてすぐにCTスキャンを撮り、院長の説明を聞いた。
それなりに大きな病院だけど、幸運にも院長自らが担当医になってくれた。
脳の腫れはほぼ引いているけれど、まだ吸収されていない血腫もあるらしい。
逆に、それがなくなれば、まだまだ意識レベルの向上が見込めるということでもある。

院長は「希望を捨てずに、出来る限りのことをしてみたい」と、静かに、だけど真剣に語った。
その場には、看護師長、担当看護師、リハビリ療法士、ソーシャルワーカーが同席。
みんな意欲的で、なんだかとっても心強いチームに感じられた。

病室に行くと、リハビリのスタッフ(リーダー+理学療法士+作業療法士+言語療法士)が来て、手足の動きなど、妻の状態を確認。
前の病院でリハビリをしていなかったにしては、手足の硬直もほとんどなくとても良い状態ですねと、家族や面会者がマッサージをしてきたことを褒めてくれた。

そのうえで、1ヵ月の目標と長期目標を設定。とにかく何らかの反応ができるように、それぞれのスペシャリストが毎日入れ替わり立ち代り、関わってくれるということだった。
私たちがドクターの話を聞いている間、さっそく車椅子に乗って短い時間だったけれど院内の散歩にも連れ出してもらったらしい。

若い男性の理学療法士の方が、妻に「これからがんばりましょうね!」と、明るく話しかけてくれたのが、とても、とても、とっても嬉しかった!
たとえ何も反応できなくても、一人の人間として、女性として、私たちの大切な家族として扱ってくれている――心からそう感じられたから。

院内を歩いていると、すべてのスタッフが、笑顔で挨拶し合っている。
みんな楽しそうに仕事をしている。

帰り際、長男は「ここに来てほんとに良かったね」と言った。

安定期/リハビリ | 【2010-04-22(木) 23:22】 | Comments:(11)
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久し振りの笑顔が見えた日 【2010-04-29(木) 21:18】
久し振りに気持ちよく晴れた1日。
TA夫妻とGさんがわが家に来てくれたので、TAさんの車に便乗して4人で面会に行った。

心配していた熱も微熱程度まで下がり、落ち着いている様子。
Gさんが持ってきてくれたオシャレな箱に入った花を飾ったら、それだけで部屋全体が少し明るくなった感じがした。

100429a.jpg
(手前は2男が折ったバラの折り紙)

100429b.jpg

TA夫人と、妻のことをあれこれ話していたら、Gさんが、「あれ、いまJさん(妻の名前)笑ったよ」と言った。
よく見ると、いつになく少し顔が楽しそうな感じに見えた。

話の内容は、こんなことだった。

――パソコンの操作を何度教えても妻は「私は、アタマワルイから覚えられない」と言いつつ、ニンジンやネギ、肉、魚等の安値はほぼカンペキに記憶していて、何曜日にどの店で買い物するべきか、5~6軒の店を驚くほど効率的に使い分けているということ。パソコンの操作はそのつど横にいる夫に聞けばいいから、覚える必要がなかったこと、などなど――

「ほんと、初めて見る表情だね」と私。

「いや、さっきはもっとハッキリと口角が上がって、笑顔になっていた」とGさん。

「Jさん! いまアナタのことを褒めていたのよ」とTA夫人。

すると、ほんとに口の端が上がり、笑っている顔になった。

久し振りに見る妻の笑顔。心が震えた。

「こういうの見ると、ほんとにこっちの話が分かっているような気がするね」と私。

「分かっていると思う。だって、ちょうどそういう話をしている時に笑ったから」とGさん。

「あなたほど愛された女性はめったにいないよ」と、妻の脚をさすりながらTA夫人が言った。

少し照れるけれど、私は自信をもってその言葉に領収印を押せる。

     *

今日は、ネット通販で買ったオーディオシステムを設置してきた。

100429c.jpg

iPodを直接装着して、そのままPLAY・充電できて、コンパクトに使えるというもの。

今まで強制徴用していた3男のスピーカーは、3ヶ月ぶりに本人の元へ帰還ということになりました。

安定期/リハビリ | 【2010-04-29(木) 21:18】 | Comments:(2)
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母の日の感謝のしるし? 【2010-05-09(日) 23:55】
昨日(8日)は、久し振りに子どもたち3人とラッキーも一緒にオールメンバーで病院詣で。
ドライバーは免許を取ったばかりの長男。
若葉(初心者)マークが初々しい。(運転もかなり初々しい?)

あと5分ぐらいで到着というときに、Kさんから着信。
不思議なことに、一週間ほど前にKさんから電話を受けた時と、ほとんど同じ場所だった。
Kさんは病院からの帰宅途中、乗り換え駅から電話している様子。

「こっちはもうすぐ病院に着くころです」と言ったら、「じゃ、また病院に戻ろうかなあ」とKさん。
まさか、と思ったけれど、Kさんは、そういう人だ。
妻の大親友であることはもちろん、子どもたちのことをとっても可愛がってくれている。

急遽、行き先を駅に変更。そこでKさんを拾ったあと、みんなで病院に行った。

私は、ラッキーを少し散歩させてから車に置いて(閉じ込めて?)病室に。

妻は、鼻のチューブも取れて、すっかり元通りの顔になっていた。
喉周りのストレスが低減したせいか、いつになく目もパッチリと開いていた。
子どもたちとKさんが、妻のベッドを取り囲んで普通に談笑していたせいか、「あれ、もう話せるようになったの?」と、一瞬錯覚してしまうような光景だった。

カーネーションが一輪。子どもたちからの贈り物。

体温を計りに来た看護師さんが、「お母さんに感謝しないとね!」と、子どもたちに言った。

「感謝してますよ。心から」と長男。

2男が、妻の額の上に、オリガミのバラを置いた。

100509-1.jpg

「かあさん、バラが似合うね」と2男。

「それ、目が覚めたらゼッタイ怒ると思うよ」・・・と言ってるスキに、今度は長男がさらにワルノリ。

100509-2.jpg

「オマエなあ、母さんに感謝してるって言ったばかりだろうが・・・」

「感謝しているよ。母さん、きっと喜んでるよ」と長男。

「ホントに、さっき笑ってたよ。すごくいい笑顔だった」と2男。

「笑ったって? ホントなの?」

「ホントホント」

「まさか」

「あれ、なんで信じないの? ホントに笑ったんだってば」

どうも、この2男の話はワケが分からないことが多い。
兄弟の中では一番ウソを言わない子だけど、一番おかしなことを言う子でもある。
もしかしたら、2男にだけ見えた笑顔なのかもしれない。

まあ、ともかく子どもたちみんながいてニギヤカなのは、妻も喜んでいるに違いない(と思いたい)

安定期/リハビリ | 【2010-05-09(日) 23:55】 | Comments:(3)
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