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ラッキーパパ

Author:ラッキーパパ
向日葵のように明るかった妻が突然倒れました。5人の子どもたち(T:18、Y:16、K:13、ラッキー:犬1…全員♂・年齢は当時 2016年より猫1が参加)と共になんとか生きています。詳しくは「はじめに」で。

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ラフマニノフの「晩祷」 【2010-03-31(水) 23:59】
二人きりの夜の病室。

小さなスピーカーからは、ラフマニノフの「晩祷」が流れ始めた。
ロシア正教で夜を通して行われる祈祷会のための無伴奏混声合唱曲。
同じキリスト教でも、東方正教会では楽器を使用しないらしく、教会音楽はすべて無伴奏の合唱曲になるらしい。

「晩祷」は、なぜか私が結婚前からもっていたCD。
人気のラフマニノフではあるけれど、どちらかというとあまり知られていない曲。きっと何かの本で紹介されて衝動買いしたんだと思う。

ジャズやロックがほとんどという中で、数少ないクラシカル(というより、完全に宗教音楽だけど)なアルバムなので、一緒に住み始めた頃、心を落ち着けたい時や寝る前などに、よく二人で聴いた。

長男がお腹にいる時も、胎教に良いんじゃないかということで、毎日のように流していた。
それ以降、今まであまり聴くことがなかったけれど、病室にもってくる曲を選ぶときに、ふと目に止まりiPodに入れていたのだった。

こうして、思い出の曲を二人で聴くと、あの頃のことがすぐ近くまでよみがえってくる。

* ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ *

あの頃はさあ、まだTもYもKもこの世にいなかったんだよね。

あなたと私、たった二人だけの家族だった。

おまけにお金もなかったけれど、でも、幸せだったよね。

それがいつの間にか5人家族。

1+1が5になることだってあるんだよと、算数を覚えたばかりのT(長男)と議論したことがあったね。
いや、Y(二男)だったっけか・・・

子どもたちは今、あなたのことで寂しい思いはあるけれど、それでもお互いに支えあって前向きに暮らしているよ。

あなたが安心して帰って来れるように、あなたが帰ってきた時に安心できるように、勉強や家の手伝いやラッキーの世話や、おまけに父親を励ますことまで、それぞれのやるべきことを、ときどきコケながらだけど、それでもしっかりやってくれている。

あなたが育てた通りに、成長してきていると思う。

あ、家から電話が来たよ。
(基本的に病院はケータイ禁止だけど、ここは個室だし、危ない電子機器はないので、カーテンに隠れて電話してます)

K(3男)「まだ帰らないの?」

「もうちょっとしたら帰るよ」

「母さんは、どう?」

「幸せそうに寝てる。さっきまで眼を開けてたけどね」

「電話、出れるかなあ」

「ハハハ・・・ 耳元にケータイを持ってくから、何か話してみなよ」

「(母さーん! 母さーん ◎×△□※◇?*○・・・)」

「そんなに大きな声を出さなくても、耳元に近づけてるから聞こえてるって・・・あれ、母さん、涙が出てきた」

「ホント?」

「ホント、ホント。さっきまで目を閉じてたけど、今はうっすらと開けているし。きっとキミのことが心配なんだね」

「・・・・グスッ・・・」

「んじゃ、もうすぐ帰るから」

* ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ *

ほんとに、電話で3男の声を聞いた直後に、まるでドラマのように涙がすっと頬を伝った。

どの程度の意識レベルかは別としても、何かを感じていることは確かだと思う。

ラフマニノフの晩祷、なんだか心の奥深くまで入ってくるような曲です。

夫婦の時間/想い出 | 【2010-03-31(水) 23:59】 | Comments:(7)
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コメント
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2010-04-01 木 00:54:11 | | # [ 編集]

こんにちは。
奥様は、体も落ち着いておられるようですし涙を流されたり、意識の奥深くで気づいていらっしゃいます。
junflowerさんはすごいですね。お仕事して、子育てして、病院にも行かれて、体だけはこわさないようにしてくださいね。
奥様の心配は、ご主人の健康とそしてそして子供達のことですから、、。それは私が痛いほどわかります。
娘は、気休めでも目が合うことも無く,涙が流れることもありません。目だけはぱっちりなんですけれどね。
私の方は全くダメです!
頂いたメールのなからから探しても、ワムネットでも、、そして全国遷延性意識障害者家族の会の会長様からもお手紙頂き、今朝役所に行って来ましたが、、だめです。
政治と医療と福祉の間の大きな落とし穴にどーんと落ちて、、。私は川崎市なのですが、、東北の病院にも断られました。
何れ自宅介護になりますが、、なんとしても呼吸器をはずしたくて、、それってそんなにわがままな望みでしょうか?
呼吸器がついて4ヶ月で自宅に連れて帰らなければならないのでしょうかねえ?
すみません、ぼやきました。
2010-04-01 木 10:25:09 | URL | dearest #- [ 編集]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2010-04-01 木 19:47:28 | | # [ 編集]
> junflowerさんはすごいですね。お仕事して、子育てして、
> 病院にも行かれて、体だけはこわさないようにしてくださいね。

いっぱいいっぱいです。(笑)
みんなに助けられて、なんとかやってます。
悩んだり落ち込んだりしたときに、慰めてくれる人が、今は眠り姫になっているので、前に進むしかないです。

> 奥様の心配は、ご主人の健康とそしてそして子供達のことですから、、。
> それは私が痛いほどわかります。

そうですね。きっとそうですね。
だから、みんな元気でやってるよ、と話しかけてます。
でも、ときどき、弱音も言ってしまいます。

> 娘は、気休めでも目が合うことも無く,涙が流れることもありません。
> 目だけはぱっちりなんですけれどね。

とにかく、「生きていればなんとかなる」と思って、希望をもちましょう。
その結果、万が一なんとかならなくても、それはそれで幸せな気がするんです。

医療や福祉の問題、こちらも悩み多き日々です。
毎日、浮いたり沈んだり、です。
でも、どこかに行くべき道があると信じたいです。

妻の回復を願いつつも、今の妻の状態も受け入れて行かないと、と思ってます。
そうしないと、つらくて寂しくてがっかりすることばっかりになってしまうので。
2010-04-01 木 20:51:48 | URL | junflower #- [ 編集]

母としては子供達の事が心配ですもんね 電話で声を聞かせたら涙を流したのですね~奥様は息子さんの声を聞いて 分かったんでしょうね~たまにコケながらも しっかり成長してますね パパさんの事も支えながらも頑張ってますね 1+1=5 我が家も息子が3人います 本当に1+1=5 納得しました 今は春から1年生の双子と年中さんなので ヤンチャ坊主だけど 立派なお兄ちゃん3人を見習いながら 奥様の子育てを見習いながら頑張りたいと思います パパさんもお仕事と病院で大変でしょうけど お身体だけは大事にして下さいね
2010-04-01 木 20:53:34 | URL | あこ #- [ 編集]

回復の可能性が高い患者に優先的に医療を提供しようとする
姿勢には私も常々疑問に思っていました。財政的に云々言った
としても切り捨てられる患者のフォローが全くできていないからです。
特に脳血管障害、頭部外傷を負った患者で意識障害に至ると
患者の家族は驚き戸惑い、この国の医療とは、福祉とは、社会保障とは
一体何だったんだというとんでもない制度になっています。

今日はdearestさんへのコメントで安心しました。
色々書きたいことがありましたが後日また書かせて頂きます。

私は母が倒れた日、手術を受け髪も無く頭はホチキスだらけで
テープで覆われ人工呼吸器で生きてる姿を見て、深夜自宅に戻りました。
とにかく、何でか昔のどうでも良いことが思い出され赤ん坊のように
部屋で大声で泣きました。近所中にも聞こえてたかも。
でも、、それ以来何があっても泣いていないんですよ。
2010-04-01 木 21:40:26 | URL | けい #50jynCW6 [ 編集]
◇あこさん。

> 我が家も息子が3人います 本当に1+1=5 納得しました

そうなんです。青+黄=緑で2色にはならないぞとか、学校で勉強したこととは違うことを言って、子どもたちの頭を混乱させて遊んでました。
妻は、ちょっと困ってましたけどね。

> 今は春から1年生の双子と年中さんなので ヤンチャ坊主だけど
> 立派なお兄ちゃん3人を見習いながら 奥様の子育てを見習いながら

誰も見習わなくていいです。
それぞれの子を誰とも比較せずに、まっすぐに愛して、まっすぐに叱って、「パパのように、○○○な人になってほしい。ママはパパが大好き」と、毎日、毎日、おのろけてください。

それだけで、子どもたちは、お父さんが大好きになり、目標になり、やがて良きライバルにもなるでしょう。


◇けいさん

いろいろと制度の問題はありますが、これでも日本は恵まれているほうだろうなと、感謝することもあります。
2010-04-01 木 23:56:28 | URL | junflower #- [ 編集]
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